-商品の説明-
【学校検診に関わる方々、保護者の方へ。早期発見、早期治療のために。最近の進歩を盛り込む。】改訂版「知っておきたい脊柱側弯症」刊行にあたって脊柱が側方に弯曲する脊柱側弯症は主として成長期の子どもに起こりやすい姿勢異常のひとつですが、軽度の場合には自覚的な苦痛が少なく、変形も目立たないことから、以前には一般の関心の比較的薄い疾患でした。しかしこの弯曲がある程度以上に進みますと、肉体的あるいは精神的な発育に影響することがきわめて大きいものであり、治療も容易ではなくなってきます。したがって姿勢の悪い子どもたちを見つけて、適当な指導、あるいは適切な治療を行うことの重要性が、昭和40年代の後半から次第に認識されるようになりました。このことを受けて当時の文部省が学校保健法を改正し、脊柱側弯症を中心とする脊柱検診が行われるようになったのは昭和54年4月のことでした。それと同時にこの側弯症学校検診の手引書として、「知っておきたい脊柱側弯症」の初版が財団法人日本学校保健会から出版されました。これはその後昭和58年に一部を改訂して「新版 脊柱検診のしおり 知っておきたい脊柱側弯症」として刊行されましたが、それらは今日まで、学校検診を実際に行う上での参考書としてだけではなく、姿勢異常や脊柱側弯症を指摘された子どもたちおよびその家族の方々がこの疾患を正しく理解される上でも、大きな役割を果たしてきました。またこの脊柱検診を通じて、子どもたちの姿勢についての社会的な関心が高められたことも成果のひとつでした。脊柱検診が始められてからすでに約四半世紀を経過しましたが、この間に脊柱側弯症に関しては絶えることなく医学的な検討が続けられ、診断や治療についてもいくつかの新しい方法が加えられました。また脊柱検診そのものついてもいくつかの新しい方法が加えられました。そこで今回、日本側弯症学会によって、脊柱側弯症に関する最近の進歩を盛り込んで従来の手引書を全面的に改訂し、本書を刊行する運びとなりました。改訂にあたって留意された主な点は、脊柱変形に関する現在の医学的な知見をできるだけわかりやすく解説すること、現代風に挿絵を多くして読みやすいものにすることなどであります。これまで行われてきた小中学校における脊柱検診の集計では、脊柱側弯症を中心とする姿勢異常として拾い上げられる数は、その疑いがあるものを含めて、全児童生徒の約0.5〜1.5%とされており、決して少ない数ではありません。成長期の子どもにひとたび脊柱変形が発生しますと、その経過観察や治療には非常に長い期間を必要とします。このような場合には、この疾患の病体や治療に関してまったく異なった立場からの見解や治療法がいろいろなところから耳に入り、患者さん側の混乱を引き起こすことが少なくありません。もともと本書は学校検診にかかわる方々の手引書として作られたものでありますが、姿勢異常について相談を受ける立場にある各科の医師あるいは医師以外の方々に、脊柱側弯症に関する基礎的な知識をお伝えすることにもお役に立つものであると確信しています。この改訂版「知っておきたい脊柱側弯症」が、広く利用されることを願っております。平成15年11月日本側弯症学会名誉会員 大阪医科大学名誉教授 小野村敏信
